副鼻腔炎から目の下に膿瘍が出来たセキセイインコちゃん。
初診時に肥満だったため、ダイエットしながら洞内注射や洗浄を行いました。
しかし症状が悪化していったのと ダイエットが成功し麻酔のリスクが下がったので 全身麻酔をかけて膿瘍を切開し 摘出した膿を培養検査やPCR検査に提出しました。その結果アスペルギルス属の真菌が検出されました。
切開部位は縫合せず、抗真菌剤入りの洗浄液で毎日お家で洗浄してもらいながら通院と内服を続けたところ、一か月後には腫れが完全に無くなりました【写真右下】。
それからもしばらく内服や洗浄で通院して頂き治療終了し、生活環境に注意して頂きながら1年が経ちましたが再発していません。
鳥の副鼻腔は嘴の根元から目の後ろ側まで迷路状に通じており一度炎症を起こすとなかなか治りにくいのですが、この子は膿瘍が限局的だったようで、時間はかかりましたが外科的な治療が奏功しました。
切開後にお家でしっかり洗浄や投薬をして下さった飼い主様のお力も大きかったです。
この子は治療後も人の事が大好きなままで、飼い主様との普段からの信頼関係が 治療を後押ししてくれました。
副鼻腔炎の予防は、ビタミンやミネラルを適切に与えたうえで生の野菜も与えたり、窓ガラスを開けて日光浴をさせたり、毎日掃除したケージで換気を良くして飼育することです。また過度な発情や産卵は高脂血症やストレスから色々な病気を起こしやすくします。
生活環境を工夫して 病気を予防してあげましょう。