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菜の花動物病院
家庭内の危険から愛鳥を守る AAV

アメリカに本部を置くAssociation of Avian Veterinarians「鳥獣医師会」が作成した、『家庭内の危険から愛鳥を守る』のリーフレットを翻訳しましたので9月限定で公開します。

当院のデータでは、家庭内の事故による死亡率は病死に比べて高くなっています。
小鳥の事故は一瞬で重大な結果になってしまうことが多いのです。

このリーフレットにはお家に潜む色々な危険が書かれていて 少し長くなりますが 事故防止にお役立て頂ければ幸いです。

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『 家庭内の危険から愛鳥を守る 』 ’Protecting Your Pet Bird from Household Dangers’   

はじめに

小さいお子さんがいるご家庭ではどのお家でも 室内をお子さんにとって危なくないようにしておくと思いますが、オウムやインコなどの鳥を飼育している私達の家庭でもそれは当然のことです。
オウムやインコは2歳の子どものような知能と好奇心を持つだけでなく、硬い物を破壊できる嘴とどこにでも飛んでいける翼を持っているので あっという間に事故を起こしてしまいます。
愛鳥の生活を楽しく健康にしつつ、家の中の危険から遠ざけておくヒントをお教えします。
( 以下、※は訳注です。 )

■家の中の物を勝手にかじらせない

 鳥の嘴は伸び続けるため、かじるのは自然な行動です。野鳥は自然の小枝や葉っぱを楽しそうにかじっていますね。でも家の中の物をかじるのは危険で 時に致命的なこともあります。下記は飲み込むと危険なものの一覧です。これは全ての危険物を網羅していないので、このリスト以外のものが安全というわけではありません。とにかく家の中では鳥にとって安全なおもちゃを与えることが大切です。

〈 誤食による中毒をおこすもの 〉

① 鉛 

 有毒金属である鉛を誤って飲み込むと中毒を起こします。鉛は柔らかく甘みがあるので口当たりが良いのです。野鳥は鉛の散弾や釣りの重りを飲み込んで鉛中毒を起こします。家庭内では、ステンドグラス、鉛ハンダ、古い家の塗料(ペンキ)、カーテンの裾に入っている細いおもり(カーテンウェイト)、模造宝石類、そして釣りの重りが鉛中毒の原因になりやすいです。他にも、古いブラインドやリノリウムにも鉛が入っています。更に残念ながら鉛は鳥用おもちゃや、飼い主さんが鳥に与えた鈴やストラップなどの金属を使ったアイテムに入っていることがあります。
鉛中毒の症状は吐出、無気力、脱力、赤色尿、痙攣、筋肉の振戦、麻痺そして死です。

② 亜鉛

 亜鉛を含むものを飲み込んで亜鉛中毒が起こります。よくある原因は亜鉛メッキ加工されたケージ、金属製の金具、1982年以降に鋳造されたペニー硬貨です。亜鉛中毒の症状には無気力、脱力、下痢、胃もたれ、多飲多尿があります。

③ タバコと大麻(マリファナ)

 タバコと大麻は摂取すると非常に危険です。タバコや噛みタバコ、ニコチンガム、ニコチンパッチ、電子タバコにペットの手が届くようならニコチン中毒を常に考えなくてはいけません。ニコチン中毒の症状は震え、嘔吐、下痢、痙攣、昏睡などがあります。また大麻中毒になると沈鬱や脱力、バランス感覚の消失、痙攣などの症状が現れることがあります。特にニコチンガムや大麻の成分を含む食品製品は人間にとって美味しく作られており、鳥も美味しいと感じ食べてしまうので要注意です。
他の誤食中毒同様、鳥がこれらの製品を噛んだり食べたりしたらすぐに獣医師の診察を受けて下さい。

④ 一般的な植物

一般的な植物の中には食べると毒性を持つものがあります。鳥がクラウンベッチ(※タマザキクサフジ。日本では帰化植物)、シャクナゲ、カランコエを食べて中毒になったという報告があります。心臓に害を及ぼすことで知られている植物には、キョウチクトウ、イチイ、すずらん、ジギタリス等があります。ドングリやナラ、カシの葉には肝不全を起こすタイプのタンニンが含まれます。その他よく見かける植物の中で毒があるのは、ランタナ、すずらん、ユリ、ルバーブ、ディフェンバキア(観葉植物)、ヤドリフカノキ(観葉植物)です。有毒植物は他にも沢山あるので、鳥がいる場所に植物を置きたいときには事前に毒があるかどうか調べて下さい。
(※アジサイ、アンスリウム、ドラセナも中毒例を見たことがあります。鳥には沢山の種が有り 種別の有害植物は分っていませんので、ほとんどの観賞用植物には毒があると考えて鳥を近づけないよう注意して下さい。またハイドロカルチャーの粘土質の土も腸閉塞を起こすことがあるので食べさせないで下さい。)

⑤ その他

その他の危険物としては、殺鼠剤、殺虫剤、古いリノリウム、人用の薬などがあります。鳥をケージから出している時は必ず見守っていて下さい。鳥が危険物を食べたり、具合が悪そうにしていたら、すぐに鳥を治療できる獣医師を受診しましょう。
また電気コードについても特別に注意が必要です。中~小型鳥でも電気コードを簡単に噛み切ってしまうことがあります。そして嘴や舌に火傷を負ったり、より深刻な内部損傷を受けることがあります。交流電流や高電圧のコードは直流や低電圧のコードより一層危険です。

■有毒なガスを吸わせないこと

鳥の呼吸器は吸い込んだ化学物質に対して非常に敏感です。人や他の哺乳類には問題が無い製品でも、鳥類にとっては非常に有害な場合があります。以下に紹介するのは、身の周りにあるもののうち、鳥のいる環境で使用することは安全ではないものです。鳥がこれらの化学物質を吸い込んだ場合、軽症から突然死に至るまで様々な症状を引き起こす可能性があります。

〈 吸い込むと危険なもの 〉

① ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)

ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)はペットの鳥の吸引性中毒の最も多い原因のうちの1つです。この物質は焦げ付き防止の調理器具(※フッ素加工してあるフライパンやホットプレート、焼き型など)、フライヤー、アイロン、アイロン台のカバー、セルフクリーニング機能付きのオーブンやランプウォーマー(※食品を温めたり焼いたりする熱源ライト)に使われています。
PTFEが280℃以上で熱されると吸入すると有害な酸性のガスになります。PTFE中毒の症状は、呼吸困難、運動失調(※運動失調の例としては、バランスを取るために足を広げて立つ、嘴でケージにしがみついて立ち続ける、頭や翼・脚の非協調的運動、無気力や嗜眠、止まり木から落ちる等)、衰弱、昏睡、そして死です。もし鳥にこのような症状があればすぐに治療が必要です。しかし、適切な治療を受けたとしても、PTFEを吸い込んだ鳥は治療の甲斐なく亡くなることが多いです。
人も気化したPTFEを吸い込んで症状が出ることがありますが、鳥よりも感受性が低いので症状も軽いです。

② 煙

煙も鳥にとっては有害なガスです。タバコ、マリファナ、エンジンの排気ガス、料理を焦がした煙、セルフクリーニング式のオーブンなど、全ての煙はペットにとって害があります。煙に含まれる一酸化炭素やシアン化水素、酸性ガス、煙中の微粒子物質はPTFE中毒と同様の症状を起こします。ただし症状が現れるまで数時間かかることがあります。
特にタバコとタバコの煙に含まれるニコチンは非常に危険です。最も影響を受けるのは慢性的にタバコにさらされているような鳥です。症状は、結膜炎、副鼻腔炎、呼吸の異常、皮膚のかさつきや炎症です。長期にわたってタバコを受動喫煙している場合は 呼吸器だけでなく心血管系にも治らない病気を起こすでしょう。また、ニコチンが入った物を食べた場合は急死する恐れがあります。もし飼い主さんがタバコや電子タバコを吸われる場合は家の外で吸って下さい。そして鳥を触る前に手をよく洗って下さい(訳注;手に付着したニコチンを流すため。ただしニコチンは喫煙後1時間は吐く息にも含まれますし、服や髪の毛にも付着し揮発します。手乗りの鳥の受動喫煙を防ぐには、喫煙後1時間は近くに行かないことと、遊ぶ前に洗髪し服を替える必要があります。)

③ その他

その他の有毒ガスとしては、消臭剤、ヘアケア製品や調髪料、マニキュアの除光液、アロマキャンドル、ガソリンの煙、ペンキ、ポリウレタン塗料、固形の防虫剤(※ぶら下げるタイプや袋入りで収納箱に入れるタイプも含む)、燻蒸剤(※液体やマット型のものを加熱する殺虫剤も含む)、スプレー式の殺虫剤や 様々なスプレー剤(※防水スプレーなど)、排水管洗浄剤、アンモニアや漂白剤のような洗浄剤の揮発ガスが挙げられます。 電子レンジでプラスチック容器を加熱し過ぎて、容器が溶けて出たガスでオウムが死亡してしまうこともあります。(※冷凍食品やコンビニおかずなど容器入り食品の加熱時に容器を溶かさないよう注意) もし家の中で塗装やリフォームをするなら、愛鳥は臭いがしない部屋に移すか、あるいは完全に別の場所に一時避難させると良いでしょう。

■人間の食べ物には気を付けましょう

人間に害のない食べ物が鳥にとって安全かというとそうとも言えません。チョコレートやカフェインを楽しむ人は多いですが、これはどちらも鳥に毒性があり、不整脈や不安感、発作を引き起こすことがあります。アボガドは多くの鳥に毒性が有り肺水腫や心不全を起こし死亡します。
タマネギやニンニクなどのネギ科の植物の多くは毒性が有り、貧血や肝障害を起こします。サクラ属果実の種(さくらんぼ、桃、あんず、プラムなど)やリンゴ属果実の種には全て少量のシアン化物が含まれています。たまにリンゴの種を食べても問題ありませんが わざと与えるのはやめた方が良いでしょう。(※きゅうりやかぼちゃ、ピーマンなどの野菜の中の種は大丈夫です。)
塩分も腎不全を起こすので塩分の多い食べ物を与えないで下さい(※塩土の食べ過ぎ注意)。 
最後に、人工甘味料のキシリトールは鳥や犬など様々なペットに致命的な低血糖を引き起こすので、キシリトール入りの食品は絶対にペットに与えないで下さい。

■おもちゃは安全なものだけを使い よく観察しましょう

どんなおもちゃも使い方によっては危険になることがありますが、それでも愛鳥におもちゃを与える時は無害な材料だけで作られたものを選んで下さい。安全な素材とは 無漂白無着色の木材やジュート、ヤシの葉などです。かみ砕く事ができないアクリルやステンレスも安全です。鳥がかみ砕くことができるプラスチックや曲げることができる柔らかい金属(※ビニタイや細い針金、手芸用ワイヤー、スズ製品、ストラップの金具など)は避けましょう。そしておもちゃで遊んでいる時は 齧って食べていないかをよく観察しましょう。毒性が無い物であっても鳥がおもちゃの一部を飲み込んでしまうと 胃腸につまらせてしまう可能性があり(※刺さることもある)、安全ではありません。

■部屋の中を散歩させたり飛ばせている時は特に注意しましょう

羽を切らずに飛ばせてあげることは愛鳥の生活の質を高めてくれますが、よくよく気を付けて監視していないと一瞬で事故が発生してしまいます。
窓や鏡に激突したり、天井のシーリングファンに巻き込まれて大怪我をすることがあります。
窓やドアが開いていると外に出て捕食されたり迷子になってしまう危険があります。
ストーブやヒーター、火などに飛び込めば深刻な火傷を負います(※冷えた油に飛び込んだり、ハエ取り紙やゴキブリホイホイにくっついて亡くなったり骨折してしまう事故もあります。ケージ内に取り付けた保温器具で低温火傷をすることも少なくありません。ゴミ箱の中の湿布薬やアルミ包装も食べてしまうと危険なので要注意)。
扉の上に止まるのを好む子も多いのですが、万が一扉が急に閉まってしまうと足指を大怪我します。
蓋が開いているトイレの便器に入って溺れたり、ポットの水や飲みかけのコップの水でさえ溺れてしまうことがあります。

羽切りして飛べないので歩き回っている鳥にも危険があります。犬や猫や他の鳥に傷つけられたり、誤って踏まれたりドアに挟まれたりという事故です。

また放鳥中に見ていないと、家具や絨毯、壁などを誤食してしまうことがあります。
室内環境と、潜んでいる危険性について 飼い主さんがいつも目を光らせていれば、大切な愛鳥を末永く守ってあげることができるでしょう。

                                            (終わり)

訳 今西奈穂子 菜の花動物病院
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以上長文でしたが いかがでしたか?
自然界に無いものは全て危険と思って注意していった方が良さそうですね。

またお家の中の思ってもみない物で中毒や腸閉塞を起こしたり、事故にあったりすることがあります。
特に秋冬からは火傷の事故が多くなります。
愛鳥さんの目線になって ケージの中やお家の中をチェックしてみてくださいね。

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